富士登山 | お遍路日記 | 旅行会社 第一観光
添乗員ブログ

第一観光 お遍路日記

7月11日、朝6時30分福岡空港集合。女性13名、男性5名の計18名のお客さんと富士山に向け出発!
前日に降った雨に続く曇りの天気で、富士山に登ることは出来るだろうか?また登ったとして、ご来光を見ることが出来るだろうか?と心配の気持ちが曇り天気となり、私の脳裏を支配し始めたとき、いつか耳にした富士山に言い伝えられているある伝説を思い出した。
富士山の神様は木花之佐久夜毘売命(このはなのさくやびめのみこと)という美しい女神様で、美人が来ると隠れて、美男子が来ると姿を現すという・・・今回は女性の方が13名もいらっしゃって・・・と不安の気持ちで一杯だったが、結論からいうと、取り越し苦労で終わった。のである。

飛行機の中で、密かに木花之佐久夜毘売命に祈りを捧げながら、8時40分羽田空港に到着。祈りが叶ったのか、東京は晴れだった。
迎えのバスに乗り継ぎ、渋滞の中央道から河口湖ICで下りる。吉田市の富士スバルラインを通って五合目に到着。
バスから下り、思わず深呼吸!空気が違う!!涼しくて気持ちいい風の五合目!すでに半分は登ったのである。

残る半分の富士山を登る前に心の準備をする。日本の三大霊山といわれる富士山は白山と立山とは違う心に残る美しい姿から日本中の誰もが一度は登りたいと思うがゆえに、全国に○○富士と付く山が112あるといわれている。私は今日、その富士山に登るのである。
改めて畏敬の気持ちを込め、お客様の安全をお祈りする。
五合園レストハウスでお食事をし、登山準備をしながら海抜2,400mの標高に体を慣らす。
登山ガイドと初対面!アドバイスを聞く。しかし、ガイドさんの話に耳を傾けるお客さんはほとんどいなかった。

14時20分「富士山、絶対登るぞー」との私(添乗員)のかけ声に「登るぞ」との元気の良い返事と共に、第一歩を踏み出す。
穏やかな下り道を歩きながら、お客さん同士で弾んでいた話が急に止まるやそこから登り始め。
まず、目指すところは夕方の再出発のために休憩(仮眠)をとる山小屋の鳥居荘。七合目に位置し、海抜2,900mのところ。富士山は登山ルートにより合目の高さが違うという。
こまめに休息を取りながら、鳥居荘を目指す。どのくらい上ったんだろう!空気がさらに清涼感を増してきたな〜と思うと山肌に雪が見えてきた。この雪が富士山を遠くから見た時の線として見えてきた雪だな〜と思うと、上っているという実感がさらに増してきた。
そして、見えてきた七合目!手を伸ばせば届きそうな所に幾つかの山小屋が密集しているのが見える。そのもっとも上に赤い鳥居がみえてきた。あそこだ!!と思い、前を行くお客様に「見えてきましたよ」と嬉しそうに話すと、それを見たお客さんの中から「おっ、見えてきたね!」とあちらこちらから喜びの声が上がった。
すると、先方を歩いていた登山ガイド曰く、「あと2時間ですね!」・・・。

3時間半かけて着いた鳥居荘のカレーが旨い。一回だけお代わりができるカレーを殆どのお客様が頼んだ。早い夕食が終わり、少し元気になったかと思うと寝床に案内された。決して快適とはいえない山小屋特殊の雰囲気を楽しむまもなく、殆どのチャレンジャー達は昏睡状態に陥るのであった。
かすかな騒音に驚き目が覚めると、出発準備に勤しむ多くの人々が目に入ってきた。
あれっ!起こしてもらった覚えがない!!窓越しの暗闇とアナログ時計の時間が目に入ると、そのまま布団の中に潜り込みたくなる。時刻は夜の10時20分!・・・
相当、風が冷たい!風の多い富士山の風速は年平均11mで風速10m以上の日が300日以上といわれる。風速1mに対して体感温度は1度下がるといわれ、さらに今は標高2,900m。標高が1,000m高くなるごとに気温が6度下がるので、風速5mの風が吹いているとしたら、それだけで下界とは22度のギャップがある訳だ。
しかし、最初から着込むのは良くないという。先ずはフリースに薄手のウィンドブレーカーで八合目まで上り、そこから重装備にすることを進められた。理屈よりは身をもって体験すればよ〜くわかる。

八合目の富士山ホテルに着き、休憩と共に最後の戦いに備えるべく、カップラーメン、ココア、コーヒ、おしるこなどでエネルギーを蓄え、そして、ありっきりの服を着重ねた。ここから頂上までは約1時間ちょっと・・・。
今回、参加されたもっとも年配の方は73歳の男性で、もっとも若い方は28歳の女性だった。疲れる前にこまめに休むやさしい登り方で、七合目の山小屋でリタイヤした女性の方を除いて、自称更年期の総合病院と仰る方も含めて全員、頂上に登ることが出来た。
写真の御来光は4時40分から5時10分にかけて、九合五勺付近のところで出会えた一生に一度の日の出である。曇っていたので心配していたが、雲と雲の間から眠い目を開けるように徐々に明るく広がり、私たちは目と足を止め、完成のスタンディングオベーションを送った。

この瞬間を味わうために高山病に苦しみ氷柱が凍る寒さを凌ぎ、そして、その絶景を味わったために笑う膝で泣きながら何度も尻餅し、体力の限界を体験するかわりにすべての感動を忘れ、最後には河口湖畔のお湯に浸かり思い出しながらつぶやく・・・よかった・・・と。


著:添乗員 李秉錫(イビョンソク)






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